磁気もメカニカルも。世界初の両立キーボード「Hyzen」が打鍵体験を変える

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キーボード愛好家が長年抱えてきた「磁気スイッチか、メカニカルスイッチか」という二者択一の問題。その前提をひっくり返すキーボードが現れた。Lofreeが手がける「Hyzen」は、磁気スイッチとメカニカルスイッチを1台で両立させた世界初のキーボードである。独自開発のNexusスイッチ、ラピッドトリガー0.01mm精度、8Kポーリングレート、ホットスワップ対応 – スペックの時点で相当攻めた構成だ。現在Kickstarterにて支援を募集中で、達成率は驚異の14,063%。支援者数5,649人、支援総額はHK$11,251,104を突破し、目標金額HK$80,000に対して140倍以上の資金を集めている。締切は2026年5月23日まで、残り6日。

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「磁気か、メカニカルか」 – その選択が終わる日

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キーボードの世界では、磁気スイッチとメカニカルスイッチが長らく対立軸として語られてきた。磁気スイッチの強みはアクチュエーションポイント(反応開始地点)を自在に調整でき、ラピッドトリガーによる超高速応答を実現できる点。ゲーマーにとっては、指を離した瞬間に入力がリセットされる反応速度が生命線だ。対するメカニカルスイッチは、打鍵感そのものが快楽。リニアの滑らかさやタクタイル(段差のある引っかかり感)のフィードバックなど、打鍵体験の深みに惹かれた根強いファンが多い。

厄介なのは、どちらの良さも捨てがたいということだ。ゲーミングシーンでは磁気スイッチの精度が欲しい。だが長時間の文章入力やプログラミングでは、メカニカルの確かな打鍵感が恋しくなる。結果として用途別に2台持ちするユーザーも少なくない。

Lofreeはこの「選べない問題」に真正面から取り組んだ。その背景には、同社がKickstarterで積み上げてきた着実な実績がある。2023年のFLOWシリーズ初代ではUS$211,000を調達。2026年にはFLOW後継モデルでUS$1,121,920、さらにFLOW2でUS$1,168,290を達成した。EDGEもUS$367,695を集め、複数プロジェクトの累計で21,000人以上のバッカーからUS$2,950,000以上を獲得している。スイッチ開発の領域でも、世界最薄のロープロファイルスイッチ「EDGE」、フルPOM構造の「Shadow Series」、超スムーズな「Cloud Series」と、常に業界に新しいカテゴリを提案し続けてきた。こうしたスイッチ開発の経験をすべて注ぎ込んだ到達点が、Hyzenである。

Hyzenの主要スペック|Nexusスイッチ・8Kポーリングレート・CNCアルミボディ

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Nexusスイッチ – 業界初の磁気×メカニカル両立スイッチ

Hyzenの核心は、Lofree独自開発の「Nexus」スイッチにある。「Magnetic Speed. Mechanical Soul.」を掲げ、1つのスイッチに磁気センシングの高速応答とメカニカルスイッチの打鍵フィードバックを統合した。さらにホットスワップ対応のため、LofreeのほかのスイッチであるCloud SeriesやShadow Seriesなどに物理的に交換することも可能だ。


磁気とメカニカルを同じスイッチで両立し、さらにホットスワップで切り替え可能。これは業界がずっと待ち望んでいた答えではないだろうか。

ラピッドトリガー0.01mm精度 × TMRセンサー搭載

Hyzenのラピッドトリガーは0.01mmのストローク分解能を実現している。TMR(トンネル磁気抵抗効果)センサーを搭載することで、キーストロークのわずかな変化を極めて高い精度で検出する仕組みだ。この0.01mmという数値はキーの押下・解放時の位置検出精度を示すもので、一般的なメカニカルキーボードが固定のアクチュエーションポイント(通常1.5〜2.0mm程度)でしかオン・オフを切り替えられないのに対し、Hyzenはサブミリ単位の任意のポイントで入力をコントロール可能。指を数十μm戻しただけでリセットが掛かるため、高速な連打や切り返し操作が求められるゲーミングシーンで大きなアドバンテージになる。


0.01mm。正直これはマウスセンサーレベルの精度をキーボードで実現しているのではないか。ゲーミング用途での恩恵はもちろん、繊細な入力が求められるクリエイティブワークにおいても興味深い数値だ。

8Kポーリングレート(有線・無線デュアル対応)

ポーリングレートは有線・無線ともに8K(8,000Hz)に対応。一般的なキーボードの1,000Hzに対して8倍の頻度でPCと通信するため、入力が画面に反映されるまでのタイムラグを大きく削減できる。ワイヤレス接続時のラグが気になるユーザーにとって、この仕様は見逃せないポイントだ。ワイヤレスチップにはNordic Semiconductor製「nRF52840」を採用しており、2.4GHz無線接続とBluetoothの両方に対応。ワイヤレス化で最も懸念される入力遅延だが、8Kポーリングレートなら有線接続とほぼ遜色ないレスポンスが期待できる。

CNC削り出しアルミニウムボディ × ガスケットマウント構造

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筐体はCNC加工のアルミニウムで構成されている。CNC(コンピュータ数値制御)加工は、アルミの塊から精密に削り出す製法で、樹脂製キーボードとは一線を画す剛性と質感が実現する。内部構造にはガスケットマウント方式を採用。キーボードのプレート(基板を支える板)をゴム製のガスケット素材で包み込むように固定することで、タイピング時の振動を吸収し、均一で柔らかな打鍵感を実現する構造だ。Lofreeはデザインについて「目立つためではなく、そこに自然と在るために設計した」と語っている。

大容量バッテリー10,000mAh搭載

ワイヤレス運用を前提に、10,000mAhの大容量バッテリーを内蔵。スマートフォンと同等クラスの容量で、数日間のタイピングを充電なしでこなせるとしている。長時間のデスクワークや外出先での作業でもバッテリー残量を気にする必要がない。ワイヤレスキーボードを常用する上で「充電が面倒」は地味だが大きなストレスだが、10,000mAhならその懸念はかなり軽減される。

その他の注目機能

  • ファンクションキーの表示切り替え(F-Keys Hidden/Visualized): ファンクションキーの表示・非表示を切り替え可能。ミニマルな外観を維持しつつ、必要時にはF列を呼び出せる
  • 透明キーキャップ: 透明素材のキーキャップを採用し、バックライトの透過による美しいライティングを実現
  • アクチュエーション速度の調整: ユーザーの好みや用途に応じてキーの反応速度をカスタマイズ可能
  • ゲームプレイ向け操作設定: ゲーミングシーンに最適化されたコントロールプリセット
  • Lofree Hub(専用ソフトウェア): キーマッピングやライティングなど、各種カスタマイズを一元管理
  • macOS対応: Apple環境との互換性あり。Mac・Windows両対応
  • カラー: Space Gray / Silver の2色展開

有線モデルとTri-mode(3接続方式)モデルの2展開

Hyzenは「Wired-mode」と「Tri-mode」の2モデルが用意されている。Wired-modeは有線接続専用、Tri-modeは有線・2.4GHz無線・Bluetoothの3方式に対応する。ワイヤレスの自由度を求めるならTri-mode一択だが、接続の安定性を最優先するならWired-modeも選択肢になる。薄さや軽さ、持ち運びやすさを重視するユーザーは、自分の使い方に合ったモデルを選びたい。

支援プランと価格

2026年5月17日時点で確認できた主な支援プランは以下の通り(通貨はHK$ = 香港ドル)。なお、事前デポジット(US$2)を支払った先行登録者向けの限定プランや、24時間限定プランなど一部は受付を終了している可能性がある。

プラン 価格 備考
Wired-mode(Space Gray / Silver) HK$1,248 事前デポジット者向け限定
Wired-mode(Space Gray / Silver) HK$1,321 24時間限定・33%OFF
Wired-mode(Space Gray / Silver) HK$1,395 Super Early Bird・30%OFF
Wired-mode(Space Gray) HK$1,469 Kickstarter限定・27%OFF
Tri-mode(Space Gray / Silver) HK$1,395 事前デポジット者向け限定

上記の通り、Wired-modeはHK$1,248〜HK$1,469、Tri-modeは確認できた範囲でHK$1,395からとなっている。複数台購入の場合はAdd-onsから追加選択が可能だ。

Hyzen打鍵音レビュー|公式ASMRサウンドテスト動画

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公式がYouTubeで公開しているASMRサウンドテスト動画では、Hyzenのタイピング音、CNC削り出しアルミニウムボディのテクスチャ感、スムーズなロータリーノブの操作感が紹介されている。ミニマルなデザインを強調した映像構成で、改良されたキーフィードバックの打鍵音を確認できる。

▶ Minimalist Keyboard ASMR | Lofree Hyzen Sound Test(YouTube)

実際のタイピングフィールやスイッチの切り替え感を音で確認できる貴重な動画だ。キーボードの打鍵音にこだわるユーザーはぜひチェックしてほしい。CNCアルミボディ特有の上品な反響音と、ガスケットマウント構造による柔らかな底打ち感が、映像越しでもはっきりと伝わってくる。

筆者コメント – 率直な評価

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映像制作が本業の筆者としては、キーボードに求める条件は明確だ。薄くて軽いこと、持ち運びしやすいこと(出張時に持参するため)、PC側との連携がスムーズなこと、そしてワイヤレス接続ならラグがないこと。この4つが揃わないキーボードは、どれだけ高性能でも常用する気にはならない。現在は自宅PCおよび出張時に持参するMac mini、両方にMac純正のキーボードを使っている。現状の自分にとっての最適解はあのキーボードだ。

その観点でHyzenを評価すると、まずワイヤレス性能は非常に心強い。Dual 8Kポーリングレート、Nordic製チップ、2.4GHz+Bluetooth対応というスペックは、ワイヤレスのラグを極限まで排除しようという設計思想がはっきりと読み取れる。10,000mAhのバッテリーも圧巻で、数日間充電なしで使えるなら出張先での作業はもちろん、日常使いでも充電ストレスからほぼ解放されるだろう。

一方で、気になる点もある。CNC削り出しアルミニウム筐体に10,000mAhバッテリーを搭載しているとなると、本体重量はそれなりの数値になるはずだ。現時点でキャンペーンページからは重量やサイズの詳細な数値を確認できなかった。普段からバックパックにキーボードを入れて移動する身としては、重さと厚みの情報は支援前にぜひ知りたいところだ。アルミの質感や剛性は間違いなく素晴らしいだろうが、持ち歩くキーボードとしての適性はまた別の話だ。

Nexusスイッチの磁気×メカニカル両立というコンセプトは純粋に面白い。私の場合、映像の編集中はリニアなキータッチでサクサク打ちたいが、長文のメール返信や企画書ではもう少し打鍵感のフィードバックが欲しい。場面に応じてスイッチモードを切り替えられるなら、2台持ちから解放される。ホットスワップでスイッチ自体を物理交換できるのも、長期的にカスタマイズの幅が広がって嬉しい設計だ。

Tri-mode版の支援プランが事前デポジット者向け限定のみ確認できた点は少し気がかりだ。ワイヤレス前提で使いたいユーザーにとって、Wired-modeしか選択肢がないとなると本末転倒になる。この点は残り6日の期間中に新プランが追加される可能性もあるが、現時点で確認できた情報としてはTri-modeの一般向けプランが見当たらなかった。ワイヤレス運用を重視するなら、支援前にプランの選択肢をよく確認すべきだろう。

総じて、「磁気とメカニカルのどちらかに決めきれない」「ワイヤレスでもラグのない打鍵環境を求めている」「CNCアルミの質感に惹かれる」という人にとっては、現時点で最も魅力的な選択肢の一つだと感じる。自分が支援するならTri-mode版のSilverを選びたい。デスクに自然と溶け込む佇まいを大切にする設計思想は、普段から作業デスク周りの美しさにこだわる人間として共感できる。

Hyzenはどんな人に向いている?おすすめユーザー像

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Hyzenは以下のようなユーザーに特におすすめだ。

  • 磁気とメカニカル、どちらも使いたいが2台持ちは避けたい人 – Nexusスイッチの2-in-1設計とホットスワップ対応により、1台で両方の打鍵体験をカバーできる
  • ゲーミングにも仕事にも1台で対応できるハイエンドキーボードを探している人 – 0.01mmラピッドトリガーでゲーム、メカニカルフィードバックで長文入力と、場面に応じた使い分けが可能
  • ワイヤレスキーボードのラグに不満を感じてきた人 – 8Kポーリングレート+Nordic製チップで、有線並みの低遅延ワイヤレス接続を実現
  • CNCアルミニウムの質感やガスケットマウントの打鍵感に価値を見出せる人 – 削り出しアルミの剛性とガスケットマウントの柔軟性が両立した上質な打鍵体験
  • Lofreeの過去製品(FLOW、EDGE)に満足した経験がある人 – 同社のスイッチ開発で培った技術の集大成として、既存ファンの期待に応えるスペック

逆に、軽量・薄型を最優先とする人は、CNCアルミ+10,000mAhバッテリーという構成が重量面でどう出るか、詳細スペックの確認を待った方がいいだろう。持ち運びやすさを重視するユーザーにとって、重量とサイズは支援判断の決め手になる情報だ。公式ページで最新のスペックシートが公開されていないか、こまめにチェックすることをおすすめする。

「磁気か、メカニカルか」という長年の問いに、Lofreeは「両方」という回答をNexusスイッチで示した。キーボードの新しいカテゴリを切り拓こうとするこのプロジェクト、興味のある方は残り6日の間にチェックしてみてほしい。

支援金額・達成率は取材時点(2026年5月17日)のものです。最新情報はプロジェクトページにてご確認ください。

プロジェクトページ: Hyzen, World’s First Mechanical Magnetic Keyboard – Kickstarter

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この記事を書いた人

Before It Becomes History - 次の時代に刻まれるものを、今見つける。をテーマに最新ガジェットや次世代AIサービス、発売前のリーク情報などを発信するwebメディア「KINTELA」。
編集長である筆者の本職は、実は映像ディレクター。日々、撮影編集に追われる傍らで、ガジェットやAIにも触れる機会が多く、自身の体験をもとに「KINTELA」を執筆・運営しています。

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