アクションカメラ「GoPro MISSION 1」に無料アップデート、50MP RAW連写とアナモルフィック対応

グリップに装着したMISSION 1シリーズの背面画面で構図を確かめる手元

GoPro MISSION 1に無料ファームウェアアップデート、「ゼロラグ」シャッターと50MP RAW連写・アナモルフィック対応

GoProが米国時間10月13日に発表したMISSION 1シリーズの無料ファームウェアアップデート。シャッターボタンの反応を見直し、押した瞬間に撮影できる「ゼロラグ」を実現したという。ボタン長押しでの連写にも対応し、50MP RAWなら20枚以上を撮影できる。

グリップに装着したMISSION 1シリーズの背面画面で構図を確かめる手元
グリップに装着したMISSION 1シリーズの背面画面で構図を確かめる手元(画像:GoPro)

あわせてiPhone/iPad向けのモニターアプリ「MISSION Monitor」には、ヒストグラムや波形モニターなど4つの露出ツールが加わった。ワイヤレス接続対応も実現。さらにベータ版ファームウェア「GoPro Labs」では、交換レンズ式の「MISSION 1 PRO ILS」がアナモルフィックレンズに対応した。

この記事の要点

  • GoPro MISSION 1シリーズ全機種で無料アップデートを実施。シャッターの反応が「ゼロラグ」をうたう水準まで高速化され、長押し連写にも対応した
  • iPhone/iPad向け「MISSION Monitor」にヒストグラム・波形・RGBパレード・フォルスカラーの4つの露出ツールが加わり、ワイヤレス接続にも対応
  • MISSION 1 PRO ILSはGoPro Labs経由で、スクイーズ比1.33x〜2.0x(5段階)のアナモルフィックレンズに対応した
目次

GoPro MISSION 1シリーズとは

山々に囲まれた湖に飛び込む人物
山々に囲まれた湖に飛び込む人物(画像:GoPro)

2026年に登場したMISSION 1シリーズは「MISSION 1」「MISSION 1 PRO」「MISSION 1 PRO ILS」の3機種で構成されている。発売以来、10の主要媒体から計12の賞を獲得。主な受賞は以下のとおり。

  • WIRED「Best Overall Action Camera」
  • Tom’s Guide Awards「Best Action Camera」
  • PCMag、Tom’s Guide、Gizmodo、The Shortcutのエディターズチョイス

このうちMISSION 1 PRO ILSは、マイクロフォーサーズマウントを備えた交換レンズ式モデル。GoProは同機を「世界最小かつ最も頑丈な交換レンズ式コンパクトシネマカメラ」と位置付けている。同社写真部門クリエイティブディレクター、Jensen Granger氏は、8K動画も撮れるトラベルカメラとしての使い方を提案している。

今回のアップデートで特筆すべきは、写真機能の刷新と映画・テレビ制作の現場を意識した機能群。発表文末の免責事項にも「プレミアム・プロ向けカメラ分野でのポジショニング」という同社の狙いが明記されており、従来のアクションカメラ枠にとどまらない方向性が感じられる。

アップデートの詳細・対応機種

以下はGoProの公式発表に基づく内容。すべて無料で提供される。なお、今回の発表にカメラ本体の価格は含まれていない(2026年4月の発表では、米国価格がMISSION 1が599.99ドル、MISSION 1 PRO/PRO ILSが各699.99ドル、国内価格がMISSION 1が10万5,400円、MISSION 1 PRO/PRO ILSが各12万2,600円とされている)。

写真機能のアップデート(MISSION 1シリーズ全機種)

GoProは、写真の撮影処理を「根本から作り直した」と明言している。主な4点は以下。

  • Rapid Photo:シャッターボタンの反応を高速化。押した瞬間に撮影される「ゼロラグ」をうたう
  • Continuous Shutter:シャッターボタンの長押しで連写。12MPなら100枚以上、50MP RAWなら20枚以上を連続撮影できる※
  • バッファインジケーター:バッファの上限が近づくと画面上で通知
  • 新しいシャッター音:1枚ごとの撮影成功を音で確認しやすくした

※枚数は12MP Standard / 50MP RAW設定での測定値。撮影時の光の条件やmicroSDカードの性能によって変わる。

GoProは、このアップデートでMISSION 1シリーズがアクセサリー「Point-and-Shoot Grip」と相性のよい組み合わせになるとしている。ラバー加工を施した軽量な金属フレームで、装着するとカメラをコンパクトデジカメのように構えて撮影できる。コールドシューマウントを2基備え、ライト「Light Mod 2」などを取り付け可能。グリップは単体のほか、「MISSION 1 PRO Grip Edition」の同梱品としても用意されている。

MISSION Monitorアプリのアップデート

MISSION Monitorは、MISSION 1シリーズの映像をiPhoneやiPadでリアルタイム表示する無料アプリ。今回、以下の機能が追加された。

  • ヒストグラム:画面全体の明るさの分布をグラフでリアルタイム表示。白飛び・黒つぶれを一目で確認できる
  • 波形モニター(Waveform):画面の横方向の位置ごとに明るさを表示し、白飛び・黒つぶれの位置を可視化
  • RGBパレード:赤・緑・青の各チャンネルを並べて表示し、色かぶりを確認。GoProは、Log撮影「GP-Log2」では色かぶりが肉眼ではほとんど見えないため、その際に特に役立つとしている
  • フォルスカラー:映像を明るさごとの色に置き換えて表示。白飛び・黒つぶれや肌の露出を確認できる
  • ワイヤレス接続:ケーブルなしでライブプレビューが可能
  • 撮影機能との連携:Rapid Photo / Continuous Shutterにも対応

波形モニターやフォルスカラーは、映像制作の現場で露出を数値的に判断する定番ツール。これらをiPhoneやiPadで使える点が、今回のアプリ更新の目玉だ。

GoPro Labs:MISSION 1 PRO ILSのアナモルフィック対応

GoPro Labsは、標準ファームウェアにはない機能を先行して試せる公開ベータ版のファームウェア。最新版でMISSION 1 PRO ILSがアナモルフィックレンズに対応した。アナモルフィックレンズは映像を横方向に圧縮(スクイーズ)して記録するもので、編集時に元の比率へ戻すと、映画のような横長の画面や楕円形のボケ、横に伸びるフレアが得られる。

  • 対応スクイーズ比:1.33x / 1.5x / 1.6x / 1.8x / 2.0xの5段階
  • アナモルフィックレンズと通常のレンズを素早く切り替えられるプリセット機能
  • 手ブレ補正「HyperSmooth」に対応
  • ピクセルアスペクト比のメタデータを動画ファイルに記録。Adobe Premiere ProやDaVinci Resolveが本来の比率を認識し、自動補正する
  • 背面画面でのデスクイーズ(比率を戻した状態の)プレビューは「近日対応」予定

提供状況

  • カメラのファームウェア:GoPro QuikアプリまたはGoPro.comから無料配信中
  • MISSION Monitor:App Storeで無料配信中(iOS 18以降)
  • GoPro Labsファームウェア:GoPro Labsから無料ダウンロード可能

競合製品との比較:DJI・Insta360との方向性の違い

公式発表には競合製品との比較は含まれていない。ここから先は筆者の見方として整理する。

近年、小型カメラ市場ではDJIのOsmo ActionシリーズやInsta360の製品が存在感を強めてきた。画質や手ブレ補正、使い勝手で比較されることが多い分野だ。2026年春にはDJIがDJI Osmo Pocket 4を発表。Insta360についても1インチ・Leica共同開発の小型ジンバルカメラInsta360 Luna(リーク情報)の存在が4月時点で伝えられ、Insta360は2026年6月に「Luna Ultra」として正式に発表している。

一方、今回のGoProのアップデートは方向性が明確に異なる。映像を外部モニターで数値的に確かめる露出ツール、マイクロフォーサーズマウントでのアナモルフィック撮影、編集ソフトとのメタデータ連携。いずれも手軽に撮りたい層というより、写真家や映像制作者のワークフローに向けた機能といえる。センサーサイズや動画のフレームレートなど、競合と数値で比べることは今回の発表からはできないため、ここでは方向性の違いを指摘するにとどめる。

海外での反応

映像制作者向けメディアのNo Film Schoolは、MISSION 1シリーズをシネマカメラ寄りの開発に踏み込んだシリーズとして紹介した。今回の無料アップデートについては「写真機能の大幅な強化」として取り上げ、長押し連写を次のように評価している。

“The company has also unveiled that holding the shutter button down will now capture continuous photos in rapid succession, which should be helpful for photogs for sure.”
(シャッターボタンの長押しで素早く連写できるようになったことも明らかにされ、写真を撮る人にとっては確実に役立つだろう)

ただし同記事の大部分はGoProの発表内容の紹介で、独自の検証やテストは含まれていない。実際の連写性能やワイヤレス接続の安定性については、今後のレビューを待つ必要がある。

筆者コメント:映像クリエイター視点の考察

正直なところ、ここ数年のGoProは、DJIのOsmo ActionやInsta360のアクションカメラにだいぶ遅れを取っているという評価が多かったはずだ。一方で、最新のMISSION 1シリーズは機能・性能をかなり大幅に引き上げて発売されたと聞いている。今回のアップデートを機に、その立ち位置を改めて考えてみた。

筆者が一番気になっていたのは、この新しいGoProが性能を上げてOsmo系などの競合と張り合えるところまで来たのか、それともまったく別の軸で、GoProらしい機能を満載してコアなファンに刺さる製品になったのか、という点だ。今回の発表を読む限り、筆者には後者寄りに見える。長押し連写、波形モニター、フォルスカラー、Log素材の色かぶり確認、アナモルフィック対応。どれも「より滑らかに、より手軽に」というアクションカメラの比較軸ではなく、写真家や映像制作者が現場で使う道具の話だ。WIREDやTom’s Guideでベストアクションカメラに選ばれていることから、アクションカメラとしての評価も持ち直しているようだ。ただ、競合と1項目ずつ数字で比べた優劣は、今回の発表からは判断できない。

業界的な立ち位置で言えば、GoProは競合と同じ土俵で数字を競うより、「小型で頑丈なプロ向けのサブ機」という別のポジションを取りにいっているように映る。発表文に「プレミアム・プロ向けカメラ分野」という言葉が出てくることも、その方向性を裏付けている。

映像制作で自分が実際に使うなら、メインカメラが入れない場所に据えるサブカメラとしてだ。普段、業務用カメラで波形モニターを見ながら露出を決めている身として、小型カメラの映像をワイヤレスでiPadに飛ばし、同じ物差しで露出を合わせられるのはありがたい。メイン機とLog素材の色を合わせる際に、撮影段階でRGBパレードを見て色かぶりに気づけるのも実務的だ。

一方で懸念もある。MISSION MonitorはiPhone/iPad向けの発表で、Androidユーザーは今回の対象に含まれていない。アナモルフィック対応はあくまで公開ベータのGoPro Labs経由で、背面画面でのデスクイーズ表示もまだ「近日対応」の段階だ。いきなり本番の案件に投入するより、まずテスト撮影で挙動を確かめたい。また、こうした機能はGoProを撮影の道具として使い込むコア層には響く。ただ、旅行やアウトドアを気軽に撮りたいだけの人には、価値が伝わりにくい可能性もある。GoProがプロ寄りの方向とアクションカメラ本来の手軽さをどう両立させていくかは、今後も注目したい。

こんな人におすすめ・総評

Point-and-Shoot Gripに装着したGoPro MISSION 1 PRO
Point-and-Shoot Gripに装着したGoPro MISSION 1 PRO(画像:GoPro公式サイト)

今回のアップデートが特に役立ちそうなのは、次のような人だ。

  • MISSION 1シリーズを旅行やストリートの写真撮影にも使いたい人
  • GP-Log2で撮影し、メインカメラと色や露出を合わせたい映像制作者
  • MISSION 1 PRO ILSで、小型・頑丈なボディでのアナモルフィック撮影を試したい人

すでにMISSION 1シリーズを持っているユーザーにとっては、写真機能と現場での使い勝手が無料で広がる内容。購入を検討している人にとっては、GoProがこのシリーズをアクションカメラにとどまらない「撮影の道具」として育てていく方針が読み取れる発表といえる。

ただし、アナモルフィック対応はベータ版での提供で、背面画面でのデスクイーズ表示など一部機能は今後の対応となっている点は押さえておきたい。

本記事の情報はソース記事公開時点のもの。最新情報は公式サイトで確認されたい。

よくある質問

Q. 今回のアップデートは有料か?

A. すべて無料。カメラのファームウェアはGoPro QuikアプリまたはGoPro.comから、MISSION Monitorの更新はApp Storeから、アナモルフィック対応のファームウェアはGoPro Labsから入手できる。

Q. 連写機能(Continuous Shutter)はどの撮影モードでも使えるか?

A. 一部のモードでは非対応。GoProの注記によると、Rapid PhotoとContinuous ShutterはSuperPhoto、Interval Photo(インターバル撮影)、Burst Photo(バースト撮影)の各モードには対応していない。

Q. アナモルフィックレンズ対応は全モデルが対象か?

A. 対象はマイクロフォーサーズマウントを備えたMISSION 1 PRO ILSのみで、GoPro Labsの最新ファームウェアを導入する必要がある。写真機能のアップデートはMISSION 1、MISSION 1 PRO、MISSION 1 PRO ILSの全機種が対象。

Q. MISSION MonitorはAndroidスマホで使えるか?

A. 今回の発表ではiPhone/iPad向けの無料アプリ(iOS 18以降)とされている。Android版の有無は公式情報では確認できない。

Q. MISSION 1シリーズは日本で購入できるか?価格は?

A. 今回の発表は日本での販売状況に触れていない。ただしGoProは2026年4月に国内の発売時期と価格を発表しており、MISSION 1は10万5,400円、MISSION 1 PROは12万2,600円(いずれも5月28日から順次発売)、MISSION 1 PRO ILSは12万2,600円で、発表時点では秋頃発売予定とされていた。最新の価格・販売状況は公式サイトで確認されたい。

📌 この記事が役に立ったら、はてなブックマークに追加してください。
ガジェット好きの方にシェアしていただけると励みになります。

この記事について

KINTELA(kintela.net)は「Before it becomes history.」をコンセプトに、海外ではすでに話題になっているが、日本にはまだ入ってきていない・知られていないガジェットやサービスを、いち早く日本語で紹介するメディアです。

本記事は公式ソース(クラウドファンディングページ、メーカー公式発表、信頼できる海外テックメディア)から確認できた情報のみを編集部が翻訳・整理しています。スペック・価格・支援プランなどの数値は記事公開時点のものであり、最新情報は必ず公式ページでご確認ください。

編集ポリシー: 推測や憶測でスペックを盛りません。確認できなかった情報は記事に含めません。製品自体のデメリットや懸念点も率直に書きます。

シェアしてくれたらめちゃくちゃ喜びます!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

映像クリエイター・AIクリエイター・SNSコンテンツクリエイター。プロダクトCMやブランドムービーなどのコマーシャル映像制作を本業とし、撮影から編集まで手がける立場から、海外で話題の新製品・サービスを『実際の仕事や暮らしで使えるか』という視点で紹介しています。
得意分野:映像制作機材・カメラ・AI活用ガジェット・次世代テクノロジー・海外トレンドのキャッチアップ

コメント

コメントする

目次